在宅生活での排便コントロール

利用者様がご自宅で過ごすうえで、意外と課題になりやすいのが排便コントロールです。

みなさん、訪問看護での排便コントロールというと、摘便のイメージが強いでしょうか?摘便は苦痛を伴う処置であるうえ、利用者様が自立して行うことが困難です。

そこで重要なのが服薬調整です。服薬調整を正しく行うことで、苦痛の軽減だけでなく、利用者様自身で排便コントロールを行うことができ、自立支援にもつながります。

薬剤の種類と効果

便秘症の治療で用いる薬には、大きく分けて以下の2種類があります。

  1. 緩下剤
  2. 刺激性下剤

以下でそれぞれを詳しくみていきましょう♪

1.緩下剤

便の性状に作用する薬です。便を柔らかくすることで、お通じを良くします。便の水分量が増えるため、便秘でない方が内服すると、下痢になることがあります。

<メジャーな薬剤>

酸化マグネシウム錠

薬局でも市販されており、最もポピュラーな下剤といえるでしょう。大腸の水分吸収を抑制して、水を含んだ柔らかい便をつくります。

2.刺激性下剤

消化管の動きに作用する薬です。腸を動かすことで、お通じを良くします。便がなくても腸の活動が促進されるので、便秘でない方が服用すると、腹痛を起こす場合があります。また水分を吸収する時間が短くなるため、下痢になることがあります。

<メジャーな薬剤>

センノシド

ピンクの小さな錠剤です。

アローゼン

顆粒タイプで、黄色い包装がよくみられます。

ピコスルファートNa(ラキソベロン)

液体で飲みやすいのが特徴です。便が出た日は少なくし、出なかった日は多くするなど、滴数で細かい調整ができることが利点です。便秘と下痢を繰り返す方に使われることが多いですが、1滴ずつ出さないといけないため、自己管理のハードルは少し高めかもしれません。

訪問看護における排便コントロールでは、ご利用者様の生活習慣や病状から便秘の原因を推測し、医師と相談しながら、薬の種類の変更や内服量の調整を行います。

あうる訪問看護リハビリステーションでは、腸管を傷つけてしまうリスクのある摘便だけではなく、下剤を用いた排便コントロールを活用し、利用者様に負担のない看護の提供と、自立支援を目指しています!