訪問看護の利用を検討する際、「一体いくら費用がかかるのだろう」「毎月の負担額が大きくなったらどうしよう」と不安を感じるご家族やご本人は少なくありません。また、日々のケアプラン作成に奔走するケアマネジャーの皆様にとっても、利用者様やご家族へ料金体系を分かりやすく説明することは大切なステップの一つです。
訪問看護の料金は、使用する保険(介護保険または医療保険)や利用時間、世帯の所得状況、さらにはお住まいの地域区分によって異なります。決して「高額で手が出ないサービス」ではなく、各種公的制度を活用することで、負担を抑えながら手厚いケアを受けることが可能です。
本記事では、横浜市(金沢区・栄区・泉区・磯子区など)や横須賀市で在宅療養を検討されている方向けに、訪問看護の料金の仕組み、自己負担額の目安、負担を軽減する制度について分かりやすく解説します。


訪問看護の料金に関する基礎知識|介護保険と医療保険の仕組み
訪問看護を利用する際、料金の基本となるのが「介護保険」と「医療保険」のどちらが適用されるかという点です。原則として両方を同時に併用することはできず、対象者の状態や年齢によって優先順位が決まっています。
1. 介護保険が適用される場合(優先適用)
65歳以上で要介護認定(要支援1〜2、要介護1〜5)を受けている方は、原則として介護保険が優先適用されます。(※40歳〜64歳で特定の指定難病等をお持ちの方も対象となります)
介護保険での負担割合は、前年の所得に応じて1割〜3割です(多くの方は1割負担)。
- 1回の利用時間と費用の目安(1割負担の場合・地域加算前)
- 20分未満:約313円
- 30分未満:約470円
- 30分以上1時間未満:約821円
- 1時間以上1時間30分未満:約1,125円
※訪問看護ステーションの体制(24時間対応や認知症ケアなど)に応じて、各種加算(数十円〜数百円程度)が追加されます。
2. 医療保険が適用される場合
以下のような条件に当てはまる場合は、医療保険で訪問看護を利用します。
- 要介護認定を受けていない方
- 厚生労働大臣が定める特掲疾患(がん末期、ALS、パーキンソン病関連疾患などの難病)の方
- 病状の急性増悪等により、主治医から「特別訪問看護指示書」が交付された期間(原則14日間)
- 精神科訪問看護を必要とする方
医療保険の自己負担割合は、年齢や所得に応じて1割〜3割(75歳以上は原則1割または2割、現役並み所得者は3割)となります。
3. 横浜市・横須賀市における地域区分の影響
訪問看護の基本料金は全国一律の単位数で決められていますが、1単位あたりの単価は地域によって異なります。これは人件費などの地域差を考慮した「地域区分」という仕組みがあるためです。
- 横浜市(金沢区、栄区、泉区、磯子区など):2級地(単価:11.12円)
- 横須賀市:5級地(単価:10.70円)
そのため、同じ時間の訪問看護を受けても、横浜市と横須賀市ではわずかに算定額が変わります。ケアプランを立てる際や自己負担額を試算する際は、地域の単価を加味して計算されます。


訪問看護の料金でよくある悩みや課題
在宅療養を始めるにあたって、多くの方が直面する料金や費用面の悩みについて整理してみましょう。
悩み1:「毎月の支払いがいくらになるか予測がつかない」
「基本料金以外に、どんな加算がつくのか分からない」「夜間や休日に来てもらうと跳ね上がるのでは?」といった不安です。訪問看護では、緊急時の24時間連絡体制(緊急訪問看護加算)や、退院直後の手厚いケア、特別なお手伝いに対して加算が発生するため、提示された基本料金だけで計算するとイメージとズレが生じることがあります。
悩み2:「介護保険の支給限度額を超えてしまわないか」
介護保険には、要介護度ごとに毎月利用できる上限額(区分支給限度基準額)が定められています。デイサービスやヘルパーなど他の介護サービスを多く利用している場合、「訪問看護を足すと限度額をオーバーして自己負担が10割(全額自己負担)になってしまうのでは」と心配されるご家族も少なくありません。
悩み3:「医療保険と介護保険の切り替えが複雑で分かりにくい」
「今まで介護保険を使っていたけれど、がんが進行して医療保険に変わると言われた」「特別指示書が出たら料金はどう変わるの?」といった、保険の切り替えに伴う料金変動の解釈に迷うケースです。ケアマネジャーにとっても、家族へ分かりやすく説明するための整理が必要となるポイントです。
訪問看護の適切な利用と料金の不安を解決する方法
「費用がかさむのでは」という懸念は、公的制度の正しい理解と、訪問看護ステーションやケアマネジャーとの適切な連携によって解決することができます。
1. 高額介護サービス費・高額療養費制度を活用する
1ヶ月に支払った介護サービスや医療費の自己負担合計額が一定の上限を超えた場合、超えた分が払い戻される上限制度が存在します。
- 高額介護(介護予防)サービス費:介護保険の自己負担額が世帯上限を超えた場合に支給。
- 高額療養費制度:医療保険の窓口払いが上限を超えた場合に支給。
- 高額医療・高額介護合算制度:年間の医療保険と介護保険の両方の自己負担額を合算して上限を超えた場合に支給。
一般的な所得の世帯であれば、毎月の負担額には実質的なブレーキがかかる仕組みになっているため、過度に恐れる必要はありません。
2. 訪問看護は「医療・介護の早期悪化を防ぐコスト」と捉える
訪問看護の料金を「余計な出費」と捉えるのではなく、「重症化や緊急入院を防ぐための投資」と考える視点も大切です。
看護師が定期的に訪問し、体調の小さな変化(バイタルサインの変化、皮膚トラブル、服薬の遅れなど)を早期発見することで、急な体調不良による緊急入院のリスクを大幅に減らせます。入院に伴う差額ベッド代や日用品代、ご家族の付き添い負担などを考慮すると、訪問看護を活用して自宅で安定した生活を送る方が、結果的に経済的・精神的負担を抑えられるケースが非常に多いのです。
3. ケアマネジャーやステーションへの事前相談
訪問看護ステーションでは、利用開始前に「月額でどのくらいの費用になるか」のシミュレーション(見込み額の提示)を行っています。他の介護サービスとのバランスを見ながら、限度額内で収まるように回数や時間を調整することが可能です。
横浜市・横須賀市での実際の支援事例
ここで、実際に訪問看護を導入し、費用面の不安を解消しながら在宅療養を継続されている事例をご紹介します。
事例1:がん末期で医療保険へ切り替えたケース(横浜市金沢区・80代男性)
- ご状態:肺がん末期、要介護3。自宅で過ごしたいという強いご希望。
- 課題:デイサービスとヘルパーを利用していたが、病状が悪化。訪問看護の利用回数を増やしたいが、介護保険の限度額オーバーを心配されていた。
- 解決策:主治医より「厚生労働大臣が定める疾患(末期悪性腫瘍)」の診断を受けたため、訪問看護の適用を介護保険から医療保険へ切り替えました。医療保険の高額療養費制度や限度額適用認定証を活用することで、毎日の訪問看護や24時間対応体制を整えつつ、月々の自己負担額を定額に抑えることができました。最期まで住み慣れた金沢区のご自宅で、ご家族に見守られながら穏やかに過ごされました。
事例2:退院直後のリハビリと服薬管理(横須賀市・70代女性)
- ご状態:脳卒中の後遺症、要介護2。独居。
- 課題:退院後、自分で正しく薬を飲めるか、転倒せずに生活できるか不安があり、訪問看護と訪問リハビリの利用を希望。費用面が心配で踏み出せずにいた。
- 解決策:ケアマネジャーと連携し、介護保険の限度額内で「週2回の看護師による服薬・体調管理」と「週1回の理学療法士による訪問リハビリ」を計画。1回30分〜1時間の訪問を組み合わせ、1割負担で月額約6,000円〜8,000円程度の自己負担に収めました。規則正しい服薬習慣がつき、自立した生活を維持できています。


訪問看護の料金に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 交通費は別途かかりますか?
A. ステーションによって対応が異なりますが、実施エリア内であれば無料のケースが多いです。 多くの訪問看護ステーションでは、指定の訪問エリア(例:横浜市金沢区、磯子区、栄区、泉区、横須賀市など)であれば交通費を基本料金に含めており、別途請求しない運営を行っています。ただし、エリア外への訪問や有料駐車場を利用した場合の全額実費など、ステーションごとに規程がありますので、契約前に必ず確認しましょう。
Q2. 24時間対応をお願いすると、利用していなくても料金がかかりますか?
A. 「緊急時訪問看護加算(介護保険)」や「24時間対応体制加算(医療保険)」として、月単位で定額の加算が発生します。 実際に夜間・休日に看護師が訪問しなかった月であっても、24時間いつでも連絡がつき、必要に応じて緊急訪問できる体制を維持するための基本料金(介護保険1割負担の場合で月額数千円程度の実質負担:約300円〜500円前後の自己負担)がかかります。夜間の体調変化に備えるための安心料として、多くの方がこの体制を選択されています。
Q3. 医療保険と介護保険で、1回の訪問時間や回数に制限はありますか?
A. 保険の種類によってルールが異なります。
- 介護保険:ケアプランに基づき、1回20分、30分、1時間、1時間半などの単位で設定されます。週の訪問回数に原則制限はありません(支給限度額の範囲内)。
- 医療保険:原則として「1回30分〜1時間30分程度」「週3回まで」という制限があります。ただし、がん末期や難病、特別訪問看護指示書が出ている期間などは、毎日訪問(週4回以上)や1日複数回の訪問が可能です。
Q4. 生活保護を受けている場合でも訪問看護を利用できますか?
A. はい、利用可能です。 生活保護を受給されている方は、指定医療機関・指定介護機関として登録されている訪問看護ステーションを利用することで、自己負担なし(公費負担)で訪問看護を受けることができます。ご利用の際は、担当の福祉事務所(ケースワーカー)やケアマネジャーにご相談ください。
まとめ:料金の不安を解消し、安心できる在宅療養を
訪問看護の料金は一見複雑に思えますが、「介護保険なら1〜3割負担」「医療保険なら各種上限制度がある」というポイントを押さえておけば、決して高額すぎるものではありません。
何より、看護師やリハビリ職などの専門職が定期的に自宅を訪れ、医療処置や体調管理、介護のアドバイスを行ってくれる安心感は、ご本人やご家族にとって大きな支えとなります。横浜市(金沢区・栄区・泉区・磯子区)や横須賀市で在宅療養を始めたいとお考えの方は、まずは費用シミュレーションを含めて専門家に相談してみることをおすすめします。
訪問看護のご相談はお気軽にあうる訪問看護ステーションまでお問い合わせください。
地域の皆様が住み慣れた自宅で安心して過ごせるよう、スタッフ一同、親身になってご対応させていただきます。費用面のご質問や「こういったケアは頼める?」といったご相談も大歓迎です。









