褥瘡形成の要因と分類

平成30年8月17日に社内勉強会を行いました。

今回のテーマは『褥瘡~褥瘡形成の要因と分類~』です。

褥瘡の定義

身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の南部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り、褥瘡となる。(日本褥瘡学会 2005)

つまり、圧迫により組織に血液がいかなくなり、組織が壊れてしまうというのが『褥瘡』です

褥瘡を引き起こす要因

褥瘡は外力(圧迫・ズレ・摩擦)などが原因となります。

その他、褥瘡を引き起こしやすい要因としては下記のようなものがあります

・日常生活の自立度
・病的骨突出
・関節拘縮
・栄養状態
・浮腫
・多汗、尿、便失禁

褥瘡発生の危険因子として特に注意すべき疾患

・うっ血性心不全
・骨盤骨折
・脊髄損傷
・糖尿病
・脳血管疾患
・慢性閉塞性肺疾患

褥瘡発生の危険因子として考慮すべき疾患

・悪性腫瘍
・アルツハイマー病
・関節リウマチ
・骨粗鬆症
・深部静脈血栓症
・パーキンソン病
・末梢血管疾患
・尿路感染症

アセスメントスケール

アセスメントスケールには様々なものがあります

・ブレーデンスケール
褥瘡発生要因の概念図より構成
予防対策として看護介入が行いやすい

・K式スケール
全段階要因と引き金要因に分けている
Yes、Noの二択方式
高齢者に限定して開発

・OHスケール
項目が少なく、評価のばらつきが少ない
日本人高齢者用
急性期患者に使用する場合はリスクの見落としに注意

・厚生労働省危険因子評価票
日常生活自立度により褥瘡予防
介入の必要性をスクリーニング
危険因子の評価からリスクの程度は測れない

褥瘡の好発部位

基本的に骨突出部が好発部位となる

DESIGN-R

日本褥瘡学会 DESIGN-R

褥瘡を評価するための共通のツール。日本褥瘡学会が開発。7項目の頭文字をとって命名された。
「重症度分類用」と「経過評価用」がある。
「重症度分類用」でおおまかな評価ができ、「経過評価用」で点数を追うことによって治療・ケアの評価ができ、治癒に向かっているかを判断できる。
小文字よりも大文字になるほど重症となる。

例)d2 真皮までの損傷         *毛穴が見えるくらい
D 3 皮下組織(脂肪識)までの損傷   *黄色い組織

在宅での褥瘡発生

・2013年度の発表では在宅での褥瘡発生率は2.61%(病院は1.99%)
*2010年の褥瘡有病率は5.45%

スケールの使用や褥瘡防止のベッドの導入などにより、発生率は減ってきている

・75歳以上が65.5%。その中で85~94歳が30.4%と高齢ほど多い。

・発生部位の割合
仙骨部(42.4%)
腸骨稜部・大転子部(11%)
踵骨部(10%)
坐骨結節部(8.3%)

発赤が褥瘡の入り口

褥瘡リスク度の評価により褥瘡の危険度が高いと出たら、好発部位の観察を!

評価票は指標になりますが完璧ではありません。

評価上はリスクが低いとなっていても、訪問時に得た情報から危険と感じたら要注意。

この発赤褥瘡?褥瘡じゃない?

と迷ったら…

3秒間圧迫し離しても発赤が残る場合は褥瘡を疑ってください

在宅での褥瘡予防

<まずは圧迫の除去>

・体圧分散用具の選択
・ベッド上や車椅子上の除圧方法を指導
・体位変換の方法指導やタイミングを伝える
・ポジショニングの方法を指導

<栄養摂取>

・口から食べることを最優先
・口から食べられない場合は栄養摂取の方法を医師と相談
・配食サービスの利用
・サプリメント、半固形流動食など栄養剤の知識を教育(エンシュアなど医師から処方してもらう必要があれば医師に相談)

<失禁ケア>

・適切なオムツの選択
・排便コントロール不良の場合は医師に相談
・排泄物の刺激から皮膚を保護する為の皮膚保護剤の使い方を指導

<スキンケア>

・入浴・清拭の際は低刺激石けんを使い皮膚を擦り過ぎないことを指導(流水または石けんで洗う)
・創周囲や骨突出部のマッサージは行わないよう指導

まとめ

以上、褥瘡についての基本的な内容の勉強会でした。

今後処置についての続編を予定しています。

今回の勉強会も看護・リハ職合同で行っており、リハビリ職が訪問の際に褥瘡について危険因子を評価し、看護師へ相談できる体制を整える機会となりました。

当事業所での対応としてはタブレット・スマートフォンを全スタッフに配布しており、電子カルテ上での写真の閲覧やスマートフォンで画像を直接やりとりしたりできるようにして、情報共有を密にできる体制を整えています。

リハビリ職が少しでも怪しいと思った時は看護師に確認するというのが確実な方法です。