訪問看護で利用者が発熱-この熱、様子見で大丈夫?

平成30年6月28日にKYTの研修を行いました

今回のテーマは『発熱』です

弊社では月1回のミーティング内でKYTトレーニングを行っています。

今回は

『この熱「様子見」で大丈夫?在宅で出会う「なんとなく変」への対応法』家 研也(著)

を参考に研修を行いました。

事例

今朝から37度台の発熱がある方。訪問したときに主治医にも確認し、一晩様子見という判断をしました。

この判断は正しかったのでしょうか?

。。。この方はその晩、高熱と呼吸苦を訴え、救急搬送されました。

微熱=軽症はウソ

高齢者は免疫力が低くなっており、37度台の発熱でも感染症の可能性があります。

当事業所で外部講師を招いて行った『インフルエンザ感染症』に関する研修では、36.8度でもインフルエンザに感染していたという人もいると伺いました。

発熱だけでなく、他のバイタルサインも重要

バイタルサインのなかで特に忘れがちだが重要なのが「呼吸数」です。

重症感染症の診断に使われる「qSOFAスコア」の中にも呼吸数の項目があります。

qSOFAスコア

①収縮期血圧100mmHg以下
②呼吸数22回/分以上
③意識レベル低下
上記のうち2項目以上を満たすと重症感染症の可能性あり

発熱がある場合はまず重症な感染症でないかを見極めます。

上記のqSOFAスコア・悪寒戦慄の有無などから判断します。

主治医への報告

普段の状態との違いなどもみながら、主治医への報告を行います。

主治医への報告の際に伝え方によって、主治医の判断が異なってしまうため、訪問スタッフの伝え方は重要です。

冒頭に記述したケースでは呼吸数の報告がなく、主治医に状態が伝わりませんでした。

呼吸数が重要という知識があれば、主治医に報告して救急搬送は防ぐことが出来たかもしれません。

肺炎を疑うケース

①呼吸数(>26回/分)
②咳・痰(ないこともある)
③SpO2低下
を目安にするとよいそうです。

まとめ

本日のKYTではバイタルサインの重要性を改めて学びました。

正常時の呼吸数をしっておくことで、発熱時などの変化に気づくことができるので、普段から呼吸数を含めバイタルサインをしっかり把握していこうと思います。

再度気を引き締めて、訪問を行っていきます。