痛みを和らげる方法(末梢性の痛みに対する対応)

4月13日に社内勉強会を行いました。
今回のテーマは『末梢性の痛みに対する対応』です。

本日の講師は当事業所の理学療法士です。

訪問看護・リハビリで訪問している利用者様で、痛みに悩んでいる方は数多くいます。

痛みで悩んでいる方に対しての治療方法のうち、徒手療法の中の1つをご紹介します。

今回の勉強会で取り上げた治療法は、痛みを伴うかなり過激な方法ですが、痛みの種類によってはかなりの効果がある方法です。

その治療法とは「侵害刺激疼痛抑制」です。

侵害刺激疼痛抑制

この治療法はゲートコントロールセオリーを利用して痛みを抑制する方法です。

ゲートコントロールセオリーとは、触覚などの太い神経繊維を通る刺激が、痛覚などの細い神経繊維を通る刺激の記号を抑制し、痛みを軽減するものです。

子供が痛がっているときにやる「痛いの痛いの飛んでいけ~」は科学的にいうとこのゲートコントロールセオリーを利用しています。

痛いところを擦る(触覚刺激を入力する)と(痛覚よりも速い信号が伝わり痛みが抑制されるため)痛みが和らぎます。

この理論の応用で侵害刺激疼痛抑制を行います。

方法

方法は以下の通り

①標的とする疼痛部位を確認

②標的とする疼痛部位と異なる髄節の部分に侵害刺激を加える

③標的とする疼痛部位に疼痛刺激を加えながら、異なる髄節の部分の刺激も増加させる

④刺激をなくした状態で標的とする疼痛がなくなっているかを確認する

つまり、痛いところとは別の神経支配の領域に痛み刺激(かなり強い痛み)を加えることで、やわらげたい部位の痛みを抑制するというものです。

荒治療のようですが、即時効果があります。

頭痛などにも効果があるようなので、試してみるとよいと思います。

注意

今回は痛みをもって痛みを制するという方法なので、リハビリなどで利用する場合は必ず事前にしっかりと説明が必要ですので、注意してください。

まとめ

侵害刺激疼痛抑制は痛みを伴いますが、即時効果もあり、疼痛に対する治療としてはよい方法です。

しかし、痛みに弱い方には適さない方法とも言えます。

今回は痛みを伴う治療方法をご紹介しましたが、リハビリテーションにはいろいろな治療方法があり、痛みを伴わない方法の方が多いです。その方の身体状況、性格、ストレス耐性などを考慮して、最適な治療法を選択します。

当ステーションには20名弱の療法士が在籍しており、様々な疼痛の改善方法を提案できます。

痛みに悩んでおり、訪問でのリハビリをご希望の方は当ステーションにご相談ください。

疼痛抑制法① 疼痛抑制法②