脳梗塞と反射性交感神経ジストロフィー(RSD)

RSDとは正式名を反射性交感神経性ジストロフィーといいます。最近ではCRPS(慢性複合性局所疼痛症候群)という呼ばれ方をされております。CRPSにおいてもタイプⅠとタイプⅡに分かれます。CRPS Type 1はRSDを含み、目立った神経損傷がなく疼痛と自律神経症状を呈するものになります。Type 2はカウザルギーとも呼ばれることもあり、神経損傷が明らかなものとされています。

主な症状は四肢に激しい痛みがあり多くのケースで痛覚や感覚異常を伴うことがあります。痛みや触覚に対して異常なほど過敏になる事や、患部に腫脹を認め発赤を伴うことが多く認められます。さらに、手足の振戦(手足が小刻みに震えること)などの運動障害や末梢の循環が悪いため皮膚や骨の栄養障害を認めることもあります。

RSDの共通する症状としては、患部に「焼けつくような」激しい痛みと感覚過敏のために患部に触れる・触れられる事を極端に避けたがることが症状として見られます。痛みの範囲として、肩関節~手指に症状が多く見られますが、下肢全体に広がることもあります。

RSDになってしまう原因はいくつか考えられておりますが、はっきりと原因は分かっておりません。別の疾患のページにも載せてありますが、脳梗塞発症後の肩関節亜脱臼や手首の骨折などの外傷でギプス等の固定された状態で長期間圧迫を受けた状態や骨折後に骨癒合が不良で局所の血管が圧迫された状態、頸部・体幹部の外傷、頸部・腰部の椎間板ヘルニア、心筋梗塞などの循環器障害など様々なことが引き金となりRSDを発症します。

これらの症状に対する治療として薬物療法、交感神経ブロック、交感神経切除術、リハビリテーションなど様々ありますが、複合的に治療を進めていくことで効果があることも分かっております。リハビリテーションでは患部を痛めないように愛護的(低負荷)で動かすことが必要です。お一人で患部を動かすことが大変苦労します、また力の入れ具合や回数など分からないこと多々あるかと思われます。お困りの時はリハビリテーション専門職の理学療法士などにご相談ください。