2019年10月から消費増税により税率が8%から10%に変更になります。これに伴い介護報酬・診療報酬も改定が行われます。
介護報酬・診療報酬は非課税のため、単純に2%増加になるわけではなく、サービスごとに報酬単位(額)の変更が行われます。
全体的に報酬は増額されますが、サービスを提供する事業所としては果たして喜ぶべき内容なのでしょうか?
改定率と経費の増加率の関係から訪問看護では2019年10月からの収支がプラス方向になるのかマイナス方向になるのかを考えていきます。
診療報酬(医療保険)
訪問看護管理療養費
単位:円
介護報酬(介護保険)
要介護の場合
(単位)
要支援の場合
(単位)
どのくらい報酬が増えた?
訪問看護事業所の経営面から改定の内容を見る場合は、個々の報酬額や単位数の増減も大事ですが、もっと見なければならないのは増加率です。
なぜ増加率を出すかというと、収入と支出の割合を出すためです。
収入に関しては、診療報酬、介護報酬がどのくらい増加したかを見ますが、支出に関しては消費税増税により経費がどのくらい増加したかを見ます。
この収入、支出を同じ基準で比較しなければならないのですが、その基準として出すのが増加率です。
収入に関しては介護保険の利用割合が多い事業所がほとんどだと思うので、介護報酬の増加率を基準とします。
上記の表を平均すると0.34%増加しています。
どのくらい経費が増えたか?
課税対象のものに関しては、消費税8%⇒10%に増加なので、1.85%の経費増加になります。
圧倒的に消費税の増加割合が多いですね。
しかし、支出のうち全てに消費税が課税されるわけではありません。
人件費に関しては消費税増税後も大きく変化はありません(交通費は変わる可能性があります)。
経費に占める人件費の割合が仮に80%とすると、概算ですが残りの20%経費が1.85%増加することになります。
20%×1.85%=0.37%の経費増加となります。
収入と支出の差は?
これを先程の収入増の0.34%と比較すると、支出の0.37%のほうが多くなります。
つまり、今回の改定では
収入 < 支出
になるということです。
その他経費の割合が高いほど影響は大きくなります。
それぞれの事業所で経費の内訳は異なるので、それぞれの事業所で今回の改定がプラスになるのかマイナスになるのかを計算して、対策を立てる必要がありますね。