姿勢制御

平成30年8月3日に社内勉強会を行いました。

今回のテーマは『姿勢制御』です。

本日の講師は弊社(あうる訪問看護リハビリステーション)の理学療法士です。

姿勢制御は感覚からの情報により、重心のブレを感知して制御を行っています。

今回の話では、姿勢制御についてのエビデンスに基づいた話がありました。

姿勢制御とは

個体・環境・課題の相互作用の元に行われる

立位姿勢は視覚、前庭感覚、固有感覚で制御される

視覚:直立姿勢の判断
前庭感覚:頭部の動きを感知
固有感覚:荷重情報、身体部位の相対的な位置情報の伝達

3つの感覚が相互に補完し合うことで、暗闇の中や不安定な場所でも安定して立位姿勢を保つことが可能

姿勢制御に関わる神経システム

フィードフォワード系(予測的に行われる姿勢制御)

皮質橋網様体脊髄路
・COPを変化
・支持側の安定を図る
⇒姿勢筋緊張促通
皮質延髄網様体脊髄路
運動肢の筋緊張をコントロール
⇒姿勢筋緊張抑制

フィードバック系(与えられた刺激に対して起こる姿勢制御)

前庭脊髄路
重心の変化に対して伸展活動を高める
⇒姿勢筋緊張促通

フィードフォワード系(予測的姿勢制御)

随意運動に先行して姿勢を調整する仕組み

例)ドアを開ける動作:下腿三頭筋が手や腕の動作より約0.1秒先行
立位での上肢挙上:三角筋の収縮に先行して大腿二頭筋、脊柱起立筋が0.4~0.5秒早く活動

足底の機械受容器(mechanoreceptor)

足底の機械受容器は荷重していない状態では発火しないことから、荷重することがバランス向上に関係していると推察される

加齢と姿勢バランス

年齢が高くなると、開眼でのバランスに比べて閉眼でのバランスが低下しやすい

Light touch mechanism

不安定な環境下において、軽く壁や手すりに触れるだけで立位姿勢が安定化する

5秒以上のLight touchによりTouch後も姿勢動揺の減少が数秒間持続する
⇒姿勢不安定性のある方に対してバランス練習するときの介助に使用することができる

Light touchで頭頂葉の活動が向上
⇒バランス制御の処理能力向上

姿勢制御の関連要因と介入戦略

姿勢制御には様々な要因が関係しており、個々の状態によってどの介入方法がよいかは異なる

まとめ

今回は姿勢制御の方法として、バランス低下に対する介入の一部の紹介がありました。

弊社では看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が合同での勉強会を行っています。

今回は看護師には少し難しい内容だったかもしれませんが、バランス低下のある利用者様へのサービス提供について考える機会になったようです。

今後も週1回の社内勉強会で知識・技術の研鑽に努め、よりよいサービスを提供していきます。