訪問看護は1人で訪問するけれどひとりではない

「在宅経験がない中、1人で訪問することに不安を感じる」

在宅に興味はあるけど、訪問看護は敷居が高いと思っている看護師のみなさん、訪問看護はひとりで訪問しません。

「ひとり」という文字をあえて、「1人」と「ひとり」と書き分けてお話をしていきます。

訪問看護は1人で訪問するので緊急対応能力が求められる。1人で判断しなければいけないことが多そうで不安。そんなイメージを持っていませんか?

個人宅にあがることに抵抗がある

1人で訪問することについて話す前に、「個人宅への訪問」に対して抵抗があるという話も聞きます。

訪問看護をやりはじめた新人看護師は、特に個人宅にあがること自体に不安を感じるものです。

利用者様のお宅にあがり生活に踏み込むので、病院でケアをするのとは違い、気づかいしなければいけないこともあります。

でも最低限の接遇マナーを知っていれば大丈夫です。

それに加えてなによりも大切なのは、誠意を持って対応することです。

多少の不備があったとしても利用者様に誠心誠意向き合って対応すれば、理解を示してくれます。

個人宅にあがることに対しては、あなたがいままでもやってきた看護師としての気持ちがあれば不安になる必要はありません。

しっかりしたステーションでは接遇マナーの研修なども行い、利用者様のと接し方に関してもサポートしてくれるので安心です。

1人で訪問する?

ここでいう「1人」とは1度に訪問する人数のことです。

確かに訪問看護は1人で訪問することがほとんどです(ある一定の条件の利用者様に対しては複数名で訪問することもあります)。

1人で訪問するということは、1人で利用者様の状態を観察できる必要はあります。

この点については、確かに1人で観察して異変に気付くスキルは必要です。

フィジカルアセスメントのスキルは看護師として高めていかなければならないところです。

これに関しても、訪問看護ステーションによっては入社時に研修を行っているところもあると思います。

ひとりで利用者様を看るの?

1人で状態観察をしなければいけないことに不安を覚えた人…

大丈夫です。訪問看護はひとりで看るものではありません。

ここでいう「ひとり」とは利用者様への関わりのことです。

訪問看護では、まず週に複数回訪問する場合には、曜日ごとに複数名で担当することも多いと思います。

特に24時間対応の契約をしている方に関しては、誰が担当の時に呼び出しがあるかわからないので、常に情報共有をしています。

実際に複数名で利用者様を担当するので安心ですね。

複数名で担当しない場合でも、訪問看護はチームで看ていきます。

「なにか変だな」と思ったら、上司や同僚に聞くことができます。スマートフォンやタブレットなどICTツールに対応しているステーションではリアルタイムで写真、動画などを使って相談することができます。

訪問看護は事業所内だけでなく、医療機関や他事業所ともチーム

訪問看護は医師やケアマネージャーなどと一緒に訪問することはありませんが、それぞれが関わっていますので、何かあったときにはすぐに相談できる環境になっています。主治医との連絡も連携ツールを使って画像なども共有できるところも徐々に増えてきています。

ケアマネージャーは在宅サービスの要なので、常に連携はとっていきますので関係を築いておくことが大切ですね。

その他の職種へも看護的な視点から提案やアドバイスをしたりすることで、利用者様がよりよい生活を送るお手伝いをしていくことができます。

訪問看護はひとりではない

このように訪問看護は1人で訪問しますが、ひとりで利用者様を看るわけではありません。

・複数名で担当する

・上司や同僚へ場所は離れていてもすぐに相談できる環境

・医師や他職種と相談できる環境

などの条件が整うステーションなら「ひとり」で訪問看護を行うことはありません。

みなさんの不安が少なく働ける訪問看護ステーションを探してみると、高いと思っていたハードルが下がってくるかもしれません。