平成30年11月30日に社内勉強会を行いました。
本日のテーマは『認知症の活動参加の評価』です。
認知症の方を活動参加へ繋げられていますか?
改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)10点以下では活動参加の評価はできないでしょうか?
言語機能や概念操作の流暢性が低下し、抽象的な面接では評価できないことが多いです。
そこで活動参加へ繋げる為に興味を引き出すツールとして使えるものを紹介します。
認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)
開発したのは大阪保健医療大学の井口知也先生です。
認知症高齢者の作業療法臨床に携わってきた井口先生は、人間作業モデルを基盤にしてこの評価法を開発されたそうです。
この絵カードは1500の作業から高齢者が行う70の作業に絞って作られたもので、だいたいの行為がこれに当てはまるようになっています。
このカードを見せて認知症の方が何が重要かを聞いていきます。
70項目全て聞くと30~40分間かかりますが、反応をみながらやっていくと、言語では反応がない方にもなにかしらの反応が出たりします。
この評価からその人の活動参加へ話をつなげていくと、治療に繋がっていきます。
エピソード
リハビリ拒否だった人が認知症高齢者の絵カード評価法を用いて評価したら、「新聞を読む」という項目によい反応があった方。
新聞に反応したのは株をやっていたので、株価の欄を毎日見ていたからでした。
リハビリという言葉には拒否がありましたが、新聞を読みに行きましょうというと、動いてくれたということがありました。
まとめ
このように重度の認知症の方にも絵カードを使用すると反応を引き出すことができ、その先の活動参加へつなげられる可能性が広がります。
今回は作業療法士(主任)が講師となり勉強会を行いました。他の職種(看護師、理学療法士、言語聴覚士)も今回の内容を応用して、日々の訪問での対応に繋げていけるようにしたいと思っています。