運動をすること、そして運動を習慣的に行うことで認知機能の維持、認知機能低下の予防をすることが期待できます。
認知機能の低下と認知症について
人の記憶力は20歳をピークに徐々に細胞数が減少し、機能も減退します。60歳頃になると記憶力に加えて、情報を基に言動を決める判断力や適応力なども衰え始めるため、結果的に物忘れが多くなります。また認知症は脳神経細胞にたんぱく質が蓄積することや、脳梗塞等の脳血管病変によって脳の血流量が低下し脳の細胞が壊死すると、脳機能が低下し認知症状が出現します。
運動が脳機能にもたらす効果
運動によって姿勢を正し酸素を取り込みやすい体をつくったり、有酸素運動を行い酸素の取り込み量を増やしたりすることで、脳機能の維持や低下の予防に繋がることが期待できます。また運動によって脳の血流が良くなることで、認知症の原因となる「アミロイドβ」、「タウたんぱく」を脳から取り除いたり発生を抑制したりすると言われています。
運動習慣と認知症
運動習慣がない人(週1回未満)と運動習慣がある人(週1回以上)でアルツハイマー型認知症の発生率を比較したところ、運動習慣がある人は発症率のリスクが40%程度低くなるとも言われています。(※週に1回すれば良いというわけではないので注意してください)
また、運動習慣がない人の脳では、運動習慣がある人の脳と比べて認知症の原因となるたんぱく質が排出されず残存していたり、過剰に発症したりしていることがわかっています。
現在、日本の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳となっており、女性に関しては過半数が90歳まで生きると言われています。人生100年時代という言葉も出てきている今、健康的に若々しく年齢を重ねていきたいものですね。そのためにも運動習慣を身につけ、脳も元気な状態を維持していきましょう。