理想の訪問看護ステーションの選び方~転職するならここをチェック!~

訪問看護の仕事に転職をしようと思ったときに、職場の選び方に悩むと思います。

訪問看護ステーションの事業所は1つの事業所が少人数ですので、運営母体の規模や給料などが同じ訪問看護の仕事でも様々です。

就職してみたら「自分のやりたいことができなかった」、「自分には合わなかった」ということにならないように、選び方のポイントをお伝えします。

転職先の職場を選ぶ基準を持っておく

まず、訪問看護ステーションで働く上で、職場を選ぶ基準として何を重視するか整理しておきましょう。

組織の方針が合うかどうか、給料が高いかどうか、組織の雰囲気と合うかなど、どこを重視したいかは人それぞれだと思います。

自分のなかで優先順位をつけておくと、転職活動で職場を選ぶ際に選びやすくなるでしょう。

一歩進んだ選び方の基準

ここまでは当たり前の話と思われる方もいると思いますので、ここでは一歩進んだ転職先の選び方の基準をお伝えします。

その基準とは、マズローの欲求5段階説とハーズバーグの動機づけ・衛星理論に基づいたものです。

この2つはどちらも人間の動機づけに関する理論で、企業では社員の能力を最大限発揮するために何を重視すべきかという基準に使われ、一般企業の経営者や管理職では有名な理論です。

この動機づけ理論の条件を満たした職場は、社員の仕事への満足感も高いと言えるため、選び方の基準として重視すべき内容の一つです。

また、この動機づけ理論に基づいて運営している職場は、体制がしっかりしているところが多いと思います。

マズローの欲求5段階説とは

欲求5段階説は、1943年にマズローが発表した論文「人間の動機づけに関する理論」で世の中に出ました。

人間みんな持っている5つに階層化された欲求について解説しています。

その5つの欲求が以下。

  1. 生理的欲求
  2. 安全の欲求
  3. 所属と愛の欲求
  4. 承認の欲求
  5. 自己実現の欲求

1-5番の優先順に並んだ欲求は、低いものから順番に現れ、その欲求がある程度満たされると、次の欲求が現れます。

そして、どの階層の欲求に取り組んでいるかと、その人の健康度は比例します。

引用元:“マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル?”自分コンパス

これを職場に置き換えると、

1)生理的欲求・安全の欲求では生活できるだけの収入が保障されているかマズローの欲求5段階説

2)所属と愛の欲求では職場環境がよいかどうか

3)承認の欲求では自分の仕事に対して正当な評価をする職場環境があるか

ということを見ていくとよいと思います。

上記が満たされるて初めて、自己実現という高次の欲求が出てくるので、満足いく仕事をする土台が整うということです。

つまり、給与、職場環境、評価される環境というのは大前提ということです。

ハーズバーグの動機づけ・衛星理論

もう1つの動機づけ理論として、ハーズバーグの動機づけ・衛星理論をご存知でしょうか。

アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論。
人間が仕事に満足感を感じる要因と不満足を感じる要因は全く別物であるとする考え方。

人間には2種類の欲求があり、苦痛を避けようとする動物的な欲求と、心理的に成長しようとする人間的欲求という別々の欲求があるとし、「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」はこの考え方を元にしています。

苦痛を避けようとする動物的な欲求をいかに充足しても、人間は不満足感が減少するだけで積極的な満足感を増加させることはない。

また、たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求を十分に充たすことができなくても、不満足感が増加するわけではないと考えられています。

ハーズバーグの動機づけ・衛生理論

引用元:ハーズバーグの動機づけ・衛生理論“モチベーションアップの法則

簡単にいうと、仕事に満足感を感じる要因(動機づけ要因)と不満足を感じる要因(衛星要因)は全く別物で、満足感を感じるには不満足を取り除いてもダメだということです。さらに、不満足要因が多い職場はストレスが多いということです。

転職の際には前の職場の不満足要因に目が行きがちになるので、不満足要因が少しでも解消する職場を探すと思います。不満足要因で抑えておきたいことは、「会社の方針と管理」です。会社の方針が自分のやりたい仕事の方向性とそぐわない場合は、やめたほうがよいかもしれません。

さらに、満足感を感じる職場を探すには、動機づけ要因が整っている職場を選ぶ必要があります。

動機づけ要因では

1)「責任」:仕事を任せてくれる

2)「承認」:仕事の過程や結果を認めてくれる

3)「達成」:目標に向かって達成のための手助けや方向性の修整をしてくれるか

などが条件となります。

2つの理論から考えた理想の職場選びのポイントとは

見学・面接やホームページなどでは以下のことを確認するとよいと思います。

①最低限の収入が確保できる

⇒給与を詳しく確認する

②応募先の職場で、見学・面接した際に、応募先のスタッフに違和感を抱かない

⇒見学・面接の際の雰囲気で確認

③会社の方針に共感できる

⇒ホームページの企業理念など確認や面接で「訪問の仕事で大切にしている事は?」などと質問する

ここまでの①~③は最低条件

④仕事を任せてもらえ、やったことを評価してもらえる環境が整っている

⇒仕事が給与にどのように反映されているか(賞与や昇給など)、管理職が何人くらいの部下を管理しているか(目が行き届くか)

⑤目標に向かって達成の為に全力を尽くしてくれるかどうか

⇒スタッフの目標設定などがあるか、目標達成のためにどのようなフォローするシステムがあるか(教育体制)など確認

④~⑤が満たされていれば、なおよい職場になると思います。

以上が、動機づけ理論に基づく理想の訪問看護ステーションの選び方でした。

転職を考えている方は、参考にしてみて下さい。